環境改善/高機能/実績に培われた信頼性

『アクアソイル工法』(軽量土壌緑化工法)

『アクアソイル工法』は、無機質軽量土壌『アクアソイル』(開発元:㈱イケガミ)をベースとした高機能な排水資材の組み合わせによる軽量土壌緑化工法です。

 多雨や高温多湿、四季の移り変わりなどの日本独特の気象条件に合うように設計されています。

 CO2削減の効果が期待できるほか、ヒートアイランド現象の抑制などの環境改善の効果や、軽量かつ高い保水性をもった土壌と、それに適合した排水システムにより、数多くの実績で高い信頼をいただいています。

『構成素材および標準仕様

『アクアソイル工法』は、1960年代から同じシステムを継続しており、安心して屋上緑化を楽しむ事ができます。

トップソイル

『アクアソイル』育成用の上に敷設します。蒸散防止と景観向上、さらに飛散防止を目的として開発されました。 長繊維が絡み合い、強風時にも飛散しにくいマルチングです。特に風の強い場所では、マルチング用飛散防止剤の混入も可能です。

『アクアソイル』育成用

2.5mm以下の粒度。軽量ですが、一度水を含ませて転圧すれば安定した基盤が形成できます。『アクアソイル』排水用との組み合わせで植物に適した通気性、保水性が得られます。

『アクアソイル』排水用

5.0mm以下の粒度。『アクアソイル』育成用の下部に敷設して下層基盤(透水通気シート・耐圧透水通気板)への通気・排水をフォローします。

透水通気シート

耐圧透水通気板の上に敷設し、『アクアソイル』の流出を防止するとともに、通気と排水を促進します。

耐圧透水通気板

建築仕上げ面に格子状に敷設して、ドレインまでの通気排水路を確保します。耐圧強度が高いので、ゆがみによっての排水性能が劣化することがありません。広い底面積が十分な通気と排水を実現します。

主な特長

『アクアソイル工法』の最も大きな特長は、その耐久性です。建築物と同等、もしくはそれ以上に性能を維持します。屋上緑化の耐久性は、長い年月のみが証明するものです。

軽量

重量の目安は、厚さ30cmで200㎏/㎡と在来工法に比べて1/3の軽さです。 また、最大湿潤時の比重は0.68です。(黒土:1.6~1.8) 保水性が高く、自動灌水設備を必要としない 植物が必要とする有効水分が豊富なため、雨が当たる場所であれば灌水がほとんど必要ありません。

高い排水性

目詰まりを起こさず、十分な排水性能を備えているので、集中豪雨の際も水がオーバーフローしません。

木のスローライフ&毛細根のさまざまなメリット

細かく柔らかい毛細根中心の良好な根が発達します。毛細根は、「建築物を傷つけない」「根に比例して樹形が整い枝葉が細かくなる」、「細かい根が樹木をしっかりと支える」「樹木のスローライフを実現し、剪定など管理の省力化を図れる」 という効果があります。

通常の土壌に植えた樹木の根
『アクアソイル工法』で植えた
樹木の根(毛細根状態)

コストの削減が可能(優れた省エネルギー効果)

保水性が高いので灌水に関わるコストが大幅に低減できます。また、活着率が高いので、枯れ交換などのコストも著しく低減できます。

『アクアソイル工法』施工の屋上緑化で灌水ランニングコストを試算(㈱サカタのタネ本社屋上緑化)

自動灌水設備(ドリップ式点滴灌水ホース)を設置すると

   

標準的使用量 7ℓ/㎡・回→ 7ℓ/㎡ ・回×サカタ屋上1,541㎡=10,787ℓ/回

四季灌水タイミング

   春・秋(4~6月/10~11月):週3回

   夏(7~9月):毎日

   冬(12~3月):週3回 

 年間灌水量

   10,787ℓ/回×年間192回=2,071,104ℓ(2,071ℓ/年)

 横浜市の水道上水・下水道料金で換算すると

 横浜市呼び径50mm=基本料金 20,720円/月 従量料金 372円/㎥

   20,720円 + 〔372円 × (2,071㎥÷12ヶ月)〕=84,920円/月

 横浜市下水料金 14,900円/月

   (84,920 + 14,900円) × 12ヶ月 = 年間 1,197,840円 のランニングコストが低減

   20年間で 23,956,800円 の灌水ランニングコストが低減したことになります! 

安定した基盤

水を含ませて十分転圧することで基盤が安定します。インターロッキングやコンクリート平板を直接施工することができるので、基盤形成コストを削減することができます。

高い断熱性能

保水力が高い土壌のため、非常に高い断熱効果を発揮します。ヒートアイランド現象の抑制にも役立っています。

高い耐久性

土壌の目減り、硬化等の経年変化がありません。

施工概要

『アクアソイル工法』は、基本的に『アクアソイル』および付帯設備(透水通気シート、耐圧透水通気板など)で、最低30cmの土厚が必要となります。屋上でご利用の際は、その土壌を盛ることができる環境が必要です。  特に、既存物件にご使用される場合は、防水の状態や床面に対する荷重制限を事前にご確認ください。

 『アクアソイル工法』は、下記の標準平面図のとおり、「透水通気シート」および「耐圧透水通気板」を均等に設置し、土壌内の保水・排水および通気のバランスを取ることにより、『アクアソイル』の優れた保水性・排水性・通気性を実現させています。

施工手順

1.施工前
2.耐圧透水通気板敷設
3.透水通気シート敷設
4.『アクアソイル』敷均し
5.『アクアソイル』敷均し完了
6.植栽工
7.トップソイル敷設
8.施工完了

施工事例 1 さいたま市桜区道場2丁目計画(サクラディア)駐車場屋上緑化工事

敷地面積:34,695㎡/建築面積:18,532㎡/総戸数:812戸

全体緑化面積:7,000㎡(『アクアソイル工法』屋上緑化面積:3,000㎡)

施主:㈱ゼファー・相鉄不動産㈱

設計・建築・緑化:設計:鳳コンサルタント環境デザイン研究所

建築:清水建設㈱・㈱安藤建設・飛島建設㈱・㈱島村建設

緑化:㈱サカタのタネ

1.自走式駐車場屋上
2.ウレタン・防水工事
3.『アクアソイル』資材搬入  (資材揚重35tラフテレーンクレーン/10t車/900㎥)
4.デッキ・トレリス・複合遊具設置
5.耐圧透水通気板・透水通気シート敷設
6.『アクアソイル』揚重
7.デッキ・縁台設置
8.デッキ・大階段設置
9.『アクアソイル』敷設準備
10.『アクアソイル』敷設/散水・敷均し・転圧
11.植栽
12.エントランス緑化部完工
13.駐車場屋上緑化部完工
14.駐車場屋上緑化部完工
15.駐車場屋上緑化部完工

施工事例 2 サカタのタネ本社ビル『アクアソイル工法』屋上緑化

種苗会社であるサカタのタネは「花と緑の魅せ場をつくる」をテーマに“環境性能の高い”緑花空間の提案を行ってまいりました。  1995年に建設いたしました、横浜市都筑区仲町台のサカタのタネ・本社ビルでも環境改善・高機能と実績に培われた軽量土壌緑化工法である『アクアソイル工法』を利用し、みずからこの工法の❝経年優化❞の状況を確認しております。

建 築 概 要

 竣  工:1995年2月4日

 敷地面積:10,456㎡

 建築面積:3,992㎡

 延床面積:15,203㎡

 緑化面積:3,195㎡

 公開空地:1,643㎡

 植栽本数:73種 6,966本

 地被植物:6種 24,282pot

 設  計:㈱日本設計

      ㈱プランタゴ

 施  工:戸田建設㈱

      サカタのタネ造園緑花部

緑化スペース 

サカタのタネ本社の屋上緑化は、2階から6階の人工地盤上にルーフテラス・ルーフガーデンとして展開しております。 全体緑化面積3,195㎡に対して、屋上緑化面積は1,541㎡となっております。 屋上緑化は、全て『アクアソイル工法』により施工しており、自動灌水装置は敷設しておりません。

各階の植栽状況

6階ルーフガーデン

 季節の変化が楽しめるように多種の植物が里山風に植栽されています。当社のルーフガーデンは、野鳥を呼び込むために、実のなる植物の植栽のほかバードバスや巣箱を設置した❝バードピア(野鳥の楽園)❞となっております(公益財団法人日本鳥類保護連盟会員)。

1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)

5階ルーフガーデン

 花木を中心に庭園風に植栽しています。

1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)

4・5・6階ルーフテラス

 北側窓辺は16種類の中木が混植されています。これは季節により大きな変化がないように考えられたものです。なかには、大きくなる樹種も使用されていますが、刈り込みによって大きさを整えています。室内側が1段低くなっているのは、外部のビル群が景観的に目立たないように配慮したためです。

1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)

4階ルーフテラス

 高木をポイントに植栽し、中木・低木は刈り込みによって大きさを整えています。

1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)

2階ルーフガーデン

 2階部分は本社1階駐車場の屋根部分となり、薄層の25~30cmの土厚で施工しています。芝生面積は約300㎡で年間に4~5回程度の芝刈を行っています。道路側には刈込仕立のメタセコイアを植栽し『アクアソイル工法』による成長の遅さを観察しております。

1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)
1995年竣工時
2017年(22年経過)
2017年(22年経過)